「SUPER 8 スーパーエイト」
この映画って何だか全く知らなかったんですけど、急に出て来て予告編も
なんだか内容分からないし〜海外でも内容を一切秘密にして公開したんだとか……。
思わせぶりな予告編はかつての「未知との遭遇」や「ジュラシックパーク」
なノリの様なので、なんだかコレは久々にスピルバーグ的超大作? な感じはしたのだ
けれど、正直そんな見たい気はしなかったんですよねぇ、なんだか目新しいことは無さそう
やし。
ところが、こ〜の思わせぶりなタイトル何のこっちゃと思っていたら! アータ! こ
の「スーパーエイト」って、昔オレ等が自主映画作ってた頃の、あの8ミリフィルム! フ
ジカラーの「シングルエイト」と、コダックの「スーパーエイト」の、あのスーパーエイト
のことだっていうじゃないですか!
当時自主映画と言えば8ミリフィルムで、大きくこの2つの種類のどちらかのフィルムを
使ってましたね。
スーパーエイトの方が発色が綺麗ということでしたが、その替りスーパーエイトはシング
ルエイトの様に逆回転撮影が出来ない!
なのでオーバーラップや二重写しなどの「特殊技術」が使えないのが難点で、オレはもっ
ぱらシングルエイトを使っていました。
いや〜しかし懐かしいですよ。こ〜の子供たちが作っているゾンビ映画! もぅ〜オレ等の
中学〜高校時代思い出しますねぇ(オレの場合はクロサワでしたけど)ロメロ化学って(笑)。
だけどこの映画、前宣伝で内容を全く明かさずに公開……という理由は観てみると良く解り
ます。要するにジャンルが特定出来ないので、宣伝する方も「どう売ったらいいのか」が解ら
ないのでしょう。
観終わってから分析するに、この作品の内容に類似する作品を挙げてみると「ジュラシック
パーク」「未知との遭遇」「ET」「エイリアン」「グーニーズ」「スタンドバイミー」……。
って結局どんなの? ってなりますよねぇ。
つまりいろんなジャンルの映画が渾然一体となった、例のヤツ(どんな?)なんですよ、例を
挙げれば「サムシング・ワイルド」や「ディーバ」?
一時期「そばめし」って流行りましたよね、焼きそばの細切れになったのがご飯と一緒に
チャーハンになったよな。喰ってる間は美味くってムシャムシャ食べてるんだけど、食い終わって
みると「アレ? 今喰ったのは何だった?」みたいな。
この手の「様々なジャンルの混ざり合った」作品てのは一見斬新な様で、結局は焦点の定まらない、
面白かったけど強烈な印象は残らない……って感想になりがちなんですよねぇ。
でもこの作品は、それにしてはそれ程ブツ切れの「ごった煮」感もなく、なかなか練ってあって、
上手く「寄り縄式」の統一感を出してたんじゃないかと思いました。
自主映画作りに夢中になってる少年少女。胸がキュンとなる恋、キュートな女子。家庭環境に
苦しむ幼心。軍部の陰謀。姿を現さないエイリアンの恐怖……。親子の情愛……。
いや〜本当楽しかったですよ。そりゃまぁ観終わってみるとみなさん仰る通り「アレ? オレ今
何喰ったっけ?」みたいな感じはありますけれど。
しかしこの作品には監督・脚本のナントカエイブラムスの熱意と才能、創意、映画への思いが120%
込められていて、それを感じることが出来るだけでもとても気持ちいいです!
エンドクレジットで劇中少年たちの作っていたゾンビ映画を披露するなんて本当「あ〜コイツ
楽しんでやがるな」とニヤリとしてしまいます。
まぁしかし「ジャンルがハッキリしない」というのは宣伝部泣かせなんでしょうね、どういう風に
売ったらいいのか分からないでしょうから。
で苦肉の策が「内容を一切知らせず」ってことになったのでしょうけど、それが良い方に働くとも
思えないし。やっぱし大ヒットは望めないでしょうねぇ、やっぱしお客さんってのは、どんな味なのか
想像出来ない料理は注文しませんやねぇ。
ん〜でもオレ的には本当、楽しかったですよ。次はコレの姉妹編としてどなたか「シングルエイト」
ってのも作って欲しいな。